まくらの選び方
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どんなまくらが良いの??
布団屋さんが考える、枕の選び方
当店では今まで多くの眠りに悩みを持つお客様にお会いしてきました。
そして様々な悩みの中で非常に多かったのが
「枕が合っていない」
です。
中には今まで5個6個買ってきたのに全てが失敗だったという方もいました。
そして話を聞くと多くの方が明確な選ぶ基準を持っていないということがわかりました。
枕は眠りの質に大きくかかわる重要な寝具ですので、皆様により良い睡眠を獲得していただく為に
力添えしたく、枕の選び方についてお伝えさせていただきます。
“まくら” とは?
睡眠時に寝床(ベッド・敷布団)と⾸の間にできる隙間を埋め頭部・頸椎・気管などへの負担を減らす寝具です。
寝床と⾸の隙間とは・・・
仰向けでは頭と背中の隙間
横向きでは頭と肩の隙間
どのような枕を選ぶべきなのか?
正しい姿勢 が取れて、 心地の良い もの
正しい姿勢の取れるものとは・・・
仰向けでは顎が真正⾯より気持ち下がる⾼さのもの
※⼀般的には5度~15度くらいの⾓度と⾔われますが、個人差があります
横向きでは背⾻から頭部までが直線になる⾼さのもの
寝返りが打ちやすいもの
心地よいものとは・・・
吸湿発散性に優れたもの
極端な多湿は不衛⽣で肌触りも悪い為
放熱性に優れたもの
良質な睡眠では頭部(脳)の冷却が有効な為
静かなもの
直接⽿が触れるので詰め物(内容物)の摩擦⾳が聞こえる為
さて、ここまでは枕の役割と選ぶべきものについてお伝えしました。
ここからは具体的にどのような種類と特徴があるのかお伝えしていきます。
POINT1:高さについて
⾼さが合うものをどのように選ぶのか、こちらは先に述べた以下となります。
仰向けでは顎が真正⾯より気持ち下がる⾼さのもの
※⼀般的には5度~15度くらいの⾓度と⾔われますが、個人差があります
横向きでは背⾻から頭部までが直線になる⾼さのもの
基本的には店員さんがいますので、「⾼さは⼤丈夫ですか?」と姿勢を客観的に⾒てもらう。
またご家族やご友⼈が⼀緒でしたら⾒てもらってもいいでしょう。
しかしここで⼀つ注意すべき点があります。
それは店舗で枕をフィッティングする時のベッドと家のベッド(⼜は敷き布団)は硬さが違うということです。
つまり、体の落ち込み具合が違うので⾸の隙間が違う。
この理由から店舗で合ったとしても⾃宅で必ず合うとは限らないのです。。。
ではどうするべきか。
ベッド(敷き布団)を購⼊するときに⼀緒にフィッティングして購⼊する。
⼜は店舗で選ぶ際にはなるべく⾃宅のベッドに近い硬さ(近い体の沈み込み)の
フィッティング⽤ベッドを選んで枕をフィッティングし購⼊すると確実性が上がります。
POINT2:形状について
現在の枕はメーカーの⼯夫により、様々な形状が存在しています。
⼀概にどの形状が良いというわけではなく、その形状による特徴と⾃分の重要視している点を照らし合わせ選んでいきます。
長方形
最も⼀般的で選択肢が多く⽐較的安価なことがメリット。
特にデメリットはありませんが、フィット感という点においては他の⽴体的な形状と⽐べ劣ります。
∞型(真上から⾒て全体が∞型)
頸椎のサポート⼒が⾼く肩や⾸へ負担が少ないことがメリット。
デメリットは睡眠中にずれてしまうと効果が薄れることです。
ウェーブ型(側⾯がウェーブ型)
特に頸椎のサポート⼒が⾼いことがメリット。
デメリットは睡眠中にずれてしまうと効果が薄れることです。
盆地型(真上から⾒て中⼼が凹型)
適切な⾼さの確保に優れている点がメリット。
⾸の隙間は「横向きの隙間 > 仰向けの隙間」であるため、
仰向けでは枕の中⼼の低い箇所を使い、横向きでは枕の両サイドの⾼い箇所を使います。
デメリットは睡眠中にずれてしまうと効果が薄れることです。
⽴体型(オーダー)
幾つかに分けられたブロックごと調整できるので、⾃分に合う硬さや⾼さに仕上げられることがメリット。
デメリットはオーダーのため⾼価なことです。
↑図を突っ込んだ方が分かりやすいような…?
POINT3:素材について
ダウン
調温機能や吸湿発散性が高く、柔らかく包み込むような心地を得られます。
デメリットは詰め物の量が必要な素材で、
埋まるように頭を支えるので寝狩りが打ちづらいことです。
ポリエステル綿
ダウンに近い包み込むような心地を安価で得られます。
デメリットは吸湿発散性・耐久性が低いことです。
高反発ウレタン
適度な柔らかさがあり、高い反発力によって寝返りのサポートをしてくれます。l
デメリットではありませんが、ダウンや低反発ウレタンほどの包み込みはありません。
低反発ウレタン
じっくり柔らかく沈む独特の心地で体圧分散性(=凹凸を拾う力)に優れています。
デメリットは通気性が低いこと、反発力が低いため寝返りのサポート力が低いことです。
そばがら
通気性・吸湿発散性が高く古くから好まれてきた素材です。
清涼感があり頭部の熱を効率よく逃がしてくれます。
ウレタンやダウンのような柔らかさは無くデメリットは摩擦音がうるさいことです。
パイプ(中空チップ)
バリエーションが多く耐久性も高いです、また洗えるため衛生的です。
ウレタンやダウンのような柔らかさは無くデメリットは摩擦音がうるさいことです。
↑素材のイメージ写真をまとめて入れるか一括で入れるか…両方試して見やすい方にする
耐久性について
素材によって異なるものの、2~3年が目安となります。
5年以上使っているなどの場合は新品時の機能を満たしていない可能性が
高いので、交換を検討してもよろしいかと思います。
※一般的には、パイプ>ウレタン>ダウン>綿系の素材の順で
耐久性が高いですが、素材の品質によって大きく変わります。
メンテナンスについて
まずなぜ洗うのか、枕は頭髪や頭皮の皮脂によって特に汚れやすい寝具です。
そのため雑菌やダニが発生しやすく、鼻や口など粘膜に近いことから清潔に保つ必要があります。
枕カバーは数枚揃えて毎日交換、枕本体は洗える素材なら夏は1~2週間、冬は1か月に1回を目安に洗いましょう。
洗えない素材は週に1回は干して日に当てるのが望ましいです。
タイプ別おすすめ “まくら”
男性
女性よりも肩幅がある男性は、横向きの際に隙間ができやすいです。
そのため、基本的に男性はある程度高さのある枕が理想です。
女性
男性よりも肩幅が狭い女性は、仰向け横向きともに隙間は少ないです。
そのため、基本的に若干低めの枕が理想です。
また、男性より血を巡らせる力が弱い女性は
硬い枕では血流を圧迫するのでなるべく当たりの柔らかい枕が理想です。
硬い寝床(ベッド・敷布団)の方
硬い寝床では体が沈み込まないので、隙間が大きくなります。
そのため、基本的にある程度の高さのある枕が理想となります。
柔らかい寝床(ベッド・敷布団)の方
柔らかい寝床では体が沈み込むので、隙間が小さくなります。
そのため、基本的に若干低めの枕が理想となります。
肩こり首こりがひどい方
代謝を促すためになるべく肩首への圧力を避けるべきです。
そのため高さが合ってるのは当然として、柔らかく∞型のような形状が理想です。
アレルギー体質の方
吸湿発散性が低いと菌やダニが繁殖しハウスダストの増加へ繋がってしまいます。
そのため、洗濯可能などのメンテナンスが容易な素材を使用した製品がおすすめです。
お歳を召した方
若い方よりも血流が弱く寝返りでのエネルギー消費が大きいです。
そのため、柔らかく寝返りサポート力の高い枕が理想的です。
↑それぞれショップ内の参考商品をあてはめるのが良いのでは?
最後に・・・
いかがでしたでしょうか?
“まくら” には様々な種類が有り、様々な特徴がありましたよね。
しかしながら、選ぶ基準は大きくわけて2つ
「正しい姿勢の取れるもの」
「心地の良いもの」
あとはご自身が何を重視するかだけなのです。
この整理さえしてしまえば決して枕選びは難しくありません。
上記を参考に、是非とも良い枕と出会っていただき、良質な眠りをお過ごしください。